私は貝になりたい (朝日文庫) - - スウィートアイテム
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映画の感動をもう一度
(2008-11-30)
いわゆるBC級戦犯の悲劇を題材に、戦争の悲惨を静かに訴えかける映画シナリオの佳作。個人的には、助命嘆願書への署名を請う房江に対し、息子が南方で戦死した父親が発した「それに比べりゃ、戦犯なんて国賊、恥さらし・・・・・・そんなやつらをたすけるなんてふざけるな!」「日本人なら潔く腹切って死ね、それができなきゃ、一日も早く、縛り首になって死ね!」(143〜144頁)との科白が、当時BC級戦犯の家族や親類縁者が置かれたであろう境遇を想像させ、胸に突き刺さった。
また、豊松の直面した不条理さは、戦争のみならず企業社会などわれわれの日常でも起こり得ることなのではとも考えさせられた。
作者の橋本忍氏は、1938年現役兵として鳥取の連隊で兵役を務めた経験(その後病気除隊)があるとのことであり(同『複眼の映像』8頁以下)、突然徴兵された名もなき一般兵士たちの心情をよく掴んでいると思う。映画を観た方も観ていない方も是非。


